娘がイギリス(イングランド)の学校に行き始めたのはなんと3歳から。3歳になった後の9月から「スクールナーサリー」と呼ばれるクラスに毎日午前の3時間だけ通っていました。
ナーサリーの期間はオムツの子もいれば、朝泣きわめいて親と離れられない子もチラホラいる、いわば幼稚園の一番若い年のクラスという雰囲気です。
全てのスクールにナーサリーが付属している訳ではないのですが、このスクールナーサリーに通っていると翌年の「レセプション」と呼ばれる小学校準備クラスが始まるときにスムーズに馴染んでくれるので、通うスクールが決まっているなら入学させると後でとても楽かもしれません。
そして4歳になった後の9月から、本格的な学校生活が始まります。だいたい9時から15時までの時間を学校で過ごし、給食も始まります。
イングランドの義務教育は5歳から18歳までなので、このレセプションクラスは義務教育の一年前の年にあたります。
5歳になった後の9月から、いよいよイヤー1と呼ばれる義務教育が始まります。同じく9時から15時までで、ナショナルカリキュラムと呼ばれる日本でいう学習指導要領にそって授業が始まります。
教育システムは、イングランド、ウェールズ、スコットランドにより違ったり、学校によっても違う部分があります。この記事はイングランドに住む私の子供の学校のことを記事にしています。
日本での子育て経験のない私ですが、記憶に残る自分の小学校生活をイメージし、娘の学校生活の始まりを楽しみにしていたのですが、いざ始まってみると日本と違う意外な点が多くあり驚きの連続でした。
今回はそんなお話を少し・・・。
子供がイギリスの学校に入学し、そこで驚いたこと
あれ?学校って9時からでしったっけ?
上にさらっと9時から15時までと書きましたが、私の記憶によると小学校は確か8時半から始まってましたよね??
学校の目の前に住んでいた私は、「8時05分に家を出る」というスケジュールの元、小学校生活の6年間を過ごしたので鮮明に時間は覚えています。
9時からなのですね。意外と朝はゆっくりできますね。
真冬のイギリスは朝8時でも薄暗いことが多いので、この事から9時から開始はちょうどいいのかもしれません。
完全なる送り迎えと時間の厳守
もちろんこれは覚悟していました。子供だけではまだまだ危ない年齢ですし、うちの場合は家も遠いので車での送り迎えが必須です。
朝9時から始まる学校に送り届ける親たちですが、実は学校の門が開いているのは9時から9時05分のたった5分間だけなのです。
この時間を過ぎると別の入口から入ることになり、名前を書かされ、遅刻扱いです。うちはまだないですが、きっと遅刻が度重なると注意を受けるのだと思います。
たった5分間の開門に合わせて学校に入るためには、必ず9時前までに門に到着していなければなりません。
ちょっと今日は遅くなちゃった!という余白が必要な場合は、常に9時15分前に着く計算で家を出る習慣が必要になります。そうであっても急な渋滞(荷下ろしのトラックが道をふさいじゃったり、事故があったり)何があるかわかりません。
なので、いつもは余裕で門の前に到着している私たちですが、真冬の極寒の中、15分外で時間をつぶすのはとてもツライことでもあります(が頑張ってます)。
お迎え時も、一人ずつドアから出るようにしていて、親がいないと教室へ戻されます。こちらも度重なる親のお迎え遅刻は注意されるのだと思います。
給食(スクールディナー)はカフェテリア制なので給食当番がない
ランチなのにディナーってややこしい名前ですが、、、これについてはこちらで詳しく書いています。
学校給食、スクールディナーはだいたいその学校内にキッチンがあり、そこで作られています
うちが通う小さな学校では、50~60代くらいのご夫婦が二人で学校生徒全員分のお昼ご飯を作っています。
給食の種類は常に2~3種類あり、好きな物を本人が選んでお皿に盛り、席について食べるようになっています。
メインはお肉料理かベジタリアン料理(お肉を使わないパスタ料理など)と副菜(ボイルされた野菜など)
他に、常にあるメニューにチップス(フライドポテト)、パン、切らなくて良いフルーツ(リンゴ・バナナ・みかんなど)があります。
でもこれ、果たして4歳5歳児が自分で選ぶことができるのでしょうか・・・。
きっと好きな物、同じものばっかり取って食べちゃいますよね。
私も最初は心配だったのですが、どうやら「ディナーレディー」という配膳補助の方が手伝ってくれているようで、欲しいメニューを聞いてお皿に乗せてくれたり、食べやすく切ってくれたり、「残さず食べなさい」と言ってくれたりしてるようです。
ただ、本人の希望するものをお皿に乗せるだけなので、栄養バランスとかもうそうゆうのは諦めるしかないですね。
もちろん給食当番はありません!!
好きな物だけ食べて、食べ終わったら外に遊びに出ちゃいます。
スクールディナーはイヤー2までは無料でそれ以降は有料になるそうです。
お弁当希望の人は、学校に申告してお弁当を持参してOKです。ディナーレディーは、小さい子のお弁当の面倒も見てくれるようです。蓋をあけてあげたり、食べ終えたお弁当箱をしまってくれたりしてくれているようです。
掃除当番がない
どうやらイギリスの学校教育には「掃除」というものはないらしいです。
自分が使ったものに対しての「片付け」はもちろんありますが、掃除の時間も掃除当番(公共で使う場所の掃除)もありません。
もちろん、雑巾がけもないので雑巾を持参することもないです。
娘が6歳のとき日本で雑巾がけをする機会があったのですが、初めてでどうやったらいいのかわからず見よう見まねでやってみたが前に進まなかったという経験があります笑
では誰が掃除をするのでしょう・・・それは学校が雇っているクリーナーさんがやってくれています。
これと関係しているかどうかはわかりませんが、いつもトイレが汚いイメージです。
筆記用具やノートを持っていかない
現在娘はイヤー1なのですが、少なくとも今まで筆記用具やノートを自分で用意して持ってきてくださいと言われたことは一度もありません。
勉強はしていますよ。国語(英語)や算数もやってますし、最近では理科につながることも始まっています。
ですが筆記用具は持参する必要はなく、全て学校のものを使っています。
書くことが必要なときは、先生から紙と筆記用具が配られ、最後に先生に戻します。紙は先生がファイルにまとめているらしく、一年の終わりに一人一人に一年の勉強したことがまとまっているファイルを先生からもらえます。
なので、年の途中では学校で何を勉強してるのか全くわからない私です。。
日本の小学校の入学準備に影響され、可愛い鉛筆、キャップ、消しゴム、定規、筆箱など買いそろえた私・・・しかも全部に名前が書けるようになっていたので、意気揚々と名前もつけちゃっていましたが、一度も学校にもっていく日もなくそのまま家に置いてあります。
教科書がない(と思う)
まだイヤー1だからかもしれませんが、個別に配られている教科書というものを見たことがありません。
上にも書きましたように、ノートも準備する必要がないし、全て教室で配られた用紙と筆記用具を使って勉強しているようで、今何を勉強してるやら全くわかりません。
予習や復習をしてやりたくても何もできないというのが困るところです。
金曜の午前中は担任の先生がいない
金曜日の午前中は、翌週の授業の準備をする時間として与えられているそうで、担任の先生は授業から離れています。
良い待遇ですね!!日本の先生たちもこれの時間を与えられてたらだいぶ仕事が楽になるのではと思います!
担任の先生がいない金曜の午前中は、サブの先生が交代で授業をしたり、ボランティアのママさんたちが教室に入って読み聞かせを手伝ったりしているようですが、「今日はディズニー映画を見た!」なんて言う日もあったりします。
子供たちは嬉しいですよね、こんな時間があるなんて。
金曜は「明日から週末~~~♪」って感じで、あまり勉強モードではないようです。(生徒がではなく、学校全体がです)
ハーフタームなるものがある
9月から年末までの学期をオータムターム、1月からイースターホリデー前(だいたい4月始)までの学期をスプリングターム、イースターホリデー開けから7月の夏休み前までの学期をサマータームを呼んでいて、一年が3学期制になっています。
ですが、この1つの学期の真ん中にハーフタームと呼ばれる一週間のお休みもあるのです。
親にとっては、やっと長い休みが終わったらまた1週間お休みなの??という繰り返しになっています。
フルタイムで働くママさんたちにとっては大変そうですよね。子供を全日預かるキッズホリデースクールなどに入れる人も多いですが、結構高かったりもします。
自分の席が決まってない
学校の教室って、先生一人に対して、生徒の席は綺麗に前を向いて並んでいるという記憶しかないのですが、この座席というものが存在していません。
どうやらいくつかの島に分かれたグループとして座っているようです。
しかもそのグループは、作業内容によってメンバーが変わるらしいです。
よって、自分の席!というのはなく、全てが共有の席なのでした。
教室の中に、名前のついた自分専用の棚スペースがあり、バッグを入れたり私物を入れたりしてるようです。
制服が安い!
日本だと制服は高いイメージがあるのですが、イギリス制服はとっても安いです。
スクールで決められているメインカラーだけ指定があり、それ以外はどこで買おうとどんなデザインであろうと自由、というスタイルです。
だいたいはグレーをメインに(ネイビーやブラックの学校もありますが)、スカート、ジャンパースカート、ズボンを選び、中は指定された色のポロシャツ、カーディガン・セーター・トレーナーはスクールカラーの物を選びます。(赤、青、緑など)
夏服は女の子はギンガムチェックのサマードレスと呼ばれるワンピースでもいいし、男の子は生地のうすい夏用ズボンとポロシャツなどがありますが、基本冬服を着ていても全然OKです。(ここは寒いですから)
基本、どの制服を着ても良いので、衣替えという日は存在しません。
まだまだ10度以下の寒い春でも、サマードレスで行く子をチラホラ見かけます。
女の子で冬服を一通り2セットほどそろえたとして、だいたい50~60ポンドくらいですんじゃいます。(レートにもよりますが1万円弱くらいかな)
少しびっくりしたのは、冬でも中は半袖ポロシャツだったということ。
娘に言わせると、冬こそヒーターがきいているので教室は暑いんですって。確かに真冬に半袖の元気な子はよく見かけてました。
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最後に
まだまだこれからも増えてくると思いますが、とりあえず最初に驚いたものだけざっと並べてみました。
日本と比べて良いか悪いかというのではなく、こんなに違うんだ!と一緒に驚きを共感していただければと思います笑
私は給食当番が好きだったので、これは日本に一時帰国したときなどに体験入学させてもらい実際に子供に体験させたいなぁと思っています。
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