イギリスで暮らし始めて13年目の私ですが、日本では遅咲きの花粉症に悩まされていた一人でした。
年代にも寄るのかもしませんが・・・30歳をこえた頃から、徐々にスギ花粉に反応するようになり、特に元々弱かった目や喉に強い症状が出ていてツライ毎日を送っていました。(もちろん鼻水も滝でしたよ)
が、イギリスに来るとキレイさっぱりと花粉症にはおさらば!という生活!!
なんて素晴らしいの~!!
と、思っていた矢先の、在英5年目を過ぎたころからどんどん怪しくなってきました。
そうです。イギリスにも花粉症があるのですよ。しかも1年で一番短くて一番良い季節である夏に!!
そんな私のイギリスの花粉症体験のお話をしますね。
イギリスの花粉症とは
イギリスでも花粉症があります。
英語では「Hay fever(ヘイ フィーバー)」といい、症状は日本のスギ花粉症の症状とほぼ同じです。
イギリスで一番メインとなる花粉症の原因はイネ科の「芝花粉」。
郊外ではもちろんのこと、都会でも公園やちょっとした広場には必ずあるあの青々とした綺麗な芝生からくる花粉です。
家の庭でも芝生のある家はとても多いですよね。
イギリス全土、どこへ行っても逃れられない芝生。その芝からくる花粉症。
日本のスギ花粉と同じく、芝の花粉症でつらいイギリス人は多くいるのです。
芝花粉(Grass Pollen)の他にも、樹木(Tree Pollen)や草(Weed Pollen)などがあります。
植物の種類としては、アブラナ(菜の花)や松など、季節によって花粉がありアレルギーを持つ人もいますが、比較にならないほど一番のメインは芝花粉だそうです。
イギリスの芝花粉の季節は
イギリスで最も多く花粉症を発症する季節は、「芝花粉」が飛ぶ初夏から夏にかけての5月~9月、特に5月半ば~7月は一番つらい季節です。
イギリスでは一年で一番良い季節のはずが、そこにドンピシャに現れる憎い奴が芝花粉なのでした。
湿度が低く過ごしやすい夏の間は、公園の芝でゴロンと寝転がるのが最高なので残念なんてもんじゃありません。
観光客は芝花粉の季節を避けるべき?
日本でスギの花粉症だとしても、イギリスにはスギ花粉はないので夏でも花粉症は発症しないと思います!
夏にイギリスに来たからといっていきなり芝の花粉症になるとは思えません。
なぜなら、あくまでも私の実体験ですが、私が芝花粉を発症したのはイギリス生活5年目を過ぎたころからでしたので。
それまではもちろん快適な夏を過ごしていましたよ。
5年目を過ぎたころから怪しくなってきたのですが、それも最初の1~2年は「花粉症」だということには気づかないくらい。
「今日はなんだかくしゃみが多く出たな」「ちょっと今日は埃っぽい?花がムズムズするな」「喉が変だな?風邪かしら?」的な感じで気にもとめなかったです。
体質によって違うとは思いますが、多分いきなりの発症は無いのではないかと・・・。
イギリスに来る前に、同じ種類の芝生に触れた期間が長かったりしたらわかりません。
でもイギリスと芝生と日本の芝生は種類が違うので(冬でも全く茶色にならず緑のまま元気な強い子です)、多分外国(ヨーロッパなど)暮らしとかの経験がない限りは同じ芝生に触れてないのではないかなーと思います。
気になる場合はアレルギーチェックなどで確認されると良いかなと思います。
もしもイギリスで花粉症の症状がでたら
↑こちらBoots。4月でも既に目立つ場所へと移動されています。
イギリスでもBoots(ブーツ)などのドラックストアや、スーパーの薬売り場には必ず花粉症の薬が置いています。
特に芝花粉の季節に近づくと目立つ位置にズラッと並べられるのですぐに見つかるはずです。
もしどれを買ったらいいかわからない、持病や飲んでいる薬があるので相談してから買いたいという場合は、薬売り場にいる薬剤師さんに症状を話して薬を選んでもらうこともできます。
症状を説明する上での英語はこのようなものがあります。
- Itchy eyes 目がかゆい
- Runny nose 鼻水
- Blocked nose 鼻づまり
- Sneeze くしゃみ
- Cough 咳
- Red eyes 目の充血
- Watery eyes 涙目
- Itchy throat, mouth, nose and ears 喉、口、鼻、耳のかゆみ
- Loss of smell 匂いを感じない
- Pain around your temples and forehead こめかみやおでこの痛み
- Headache 頭痛
- Earache 耳の痛み
- Feeling tired 倦怠感
もし心配な場合は、普段飲んでいる花粉症の薬を持ってくると安心ですね。
イギリスの花粉症の薬は?
イギリスでの花粉症の薬は「飲み薬」「目薬」「点鼻薬」の3つがメインになります。
一般的に利用されているのはやはり「飲み薬」。
抗ヒスタミン薬の錠剤です。
飲み薬で一番主流なのが、「ロラタジン(Loratadine)」と「セチリジン(Cetirizine)」の2種類です。
他にも「アクリバスチン(Acrivastine)」というのがありますが、日本未承認ということもあり気になる方は避けてくださいね。
では、「ロラタジン(Loratadine)」と「セチリジン(Cetirizine)」は何が違うのか。
「ロラタジン」と「セチリジン」では作用の強さ(副作用の強さ)に違いがあります。
↑こちら「ロラタジン(Loratadine)」
「ロラタジン」の方が眠気などの副作用が少ないとされているため、もしもどちらかの薬を飲むという場合には、まずは「ロラタジン」を試してみてください。
他のメーカーからも販売されていますが、必ずパッケージに「ロラタジン(Loratadine)」や「セチリジン(Cetirizine)」と表記されていますので、よく確認してから購入してください。
↑こちら「セチリジン(Cetirizine)」
もし「ロラタジン」で効き目がないと感じた場合には「セチリジン」を試してみるといいと思います。
錠剤には対象年齢が記載されているので必ず確認してくださいね!
出典:Boots
子供に飲ませる場合には、対象年齢に入っていたとしても「子供用のシロップ」があるので、そちらの方が安心です。
但し、子供用は棚に陳列されておらず店員(薬剤師)に言って出してもらわないといけません。
これは対象年齢の確認を確実に行うためです。
出典:Boots
「目薬」も同じく薬局で売っています。
イギリスでは、普段から日本ほど目薬を使う人がいないという印象ですが、ちゃんと売っていました。
Hay fever Relief(ヘイフィーバーリリーフ)などとパッケージに書いてあれば花粉症用のものなので、充血やかゆみに効くものとなります。
日本の目薬よりも爽快感はなく、薬用成分でじわりと効いてくるというイメージです。
他にもこんなのもあります。目を閉じてスプレーするタイプ。
コンタクトを付けたままでも使用できるスプレーで、目のかゆみやアレルギーを抑えるものです。
意外と便利かもしれませんね。
「点鼻薬」も、Hay fever Relief(ヘイフィーバーリリーフ)などとパッケージにあるのですぐにわかります。
これはステロイド系で抗炎症作用があるものです。
「2週間以上使いづつけてはいけない」「2週間以上使う場合は医師に相談」といった注意書きがありますので、気になる人は飲み薬で乗り切ってください。
花粉症対策:ネトルティー
イギリスでは、古くからなるべく薬を使わず自然なものを取り入れて治癒を促すという基本的な考えが根付いています。
ホメオパシーもそのひとつ。
そして花粉症に効くと言われているのが「ネトルティー」なのですが、これがまたやっかいな草でして・・・
見た目はシソそのままと言っていいほど似ていて、摘んで帰りたくなるくらいなのですが、その葉や茎はちょっと触れたただけで痛みと痒みで「ギーーーッ!!!」と発狂しそうになるヤツです。
ネトルの葉や茎には、毒を持つガラス状のトゲが無数にあり、それらに触れるとトゲによる痛みと毒による痒みで何時間もチクチク感が収まらないのです。
毒ですから、程度によっては嘔吐などの症状が出ることもあるんですって。
ネトル(Nettle)の日本名を「イラクサ」というそうですが、ほんとイラっとします。
夏になるとそこら中に生えていて、草むらに入り込もうものならジーンズをも貫通して刺してきます。
そんな憎き草、ネトルですが、このネトルのお茶が花粉症には良く効くのですよ。
ホメオパシー「毒を持って毒を制す」のやり方ですね。
とはいえ、ネトルティーは鉄分やミネラルが豊富で美容にも良いらしいです。
お茶としても、クセがなくてとても飲みやすいですし。
私の実体験ですが、効果は緩やかで、ネトルティーを一日一杯飲む習慣になってから気づいたら症状が和らいでた、という感じです。
イギリス人の友達や周りの日本人でも効果があると感じる人が多いので、日本でスギ花粉に悩まされている人も一度試してみて欲しいお茶です。
イギリスに来られる際には、お土産にも良いと思います!
スーパーのハーブティーコーナー、Holland&Barettなどのナチュラルフードショップ、オーガニックショップなどでも置いています。
出典:clipper
↑クリッパーからも出ています。20バッグ入りで£1.45!
スーパーで見つけられるはずです!
ちなみにネトルは、お茶だけでなくタブレット(錠剤)でも売っています。
お茶を飲むよりタブレットの方が簡単!という方にはぜひ試してみて欲しいです。
こちらもHolland&Barettなどのナチュラルフードショップに置いてあるので覗いてみてくださいね。
花粉症対策:ルイボスティー
ここイギリスでは花粉症対策のお茶と言えばネトルティーがメジャーですが、日本ではルイボスティーも効果があると耳にしますね。
ポリフェノールとミネラル成分の含まれるルイボスティーは健康茶としても人気ですが、やっぱりこのルイボスティーもイギリスの方が安いです。
↑日本でも美味しそうなルイボスティーがたくさんありますね。種類は日本の方が多いみたいです。
出典:ticktock tea
こちらTickTock(ティックトック)のオーガニックルイボスティー。
最近はやりのアプリの名前にそっくりですが、こちらの方が随分前からあるちゃんとしたブランドです。
40バッグ入りで£2.29。スーパーならだいたいどこにでも置いている商品です。
こちらのお茶もクセがなく、飲みやすいので好きです。
1年ほど前から緑茶以外のカフェインを控えてるので、ノンカフェインの美味しい飲み物の選択しが増えるだけで嬉しいですね。
イギリスの花粉予報
イギリスにも天気予報のように花粉の量を伝える「Pollen Forecast」があります。
The pollen season separates into three main sections:
- Tree pollen(樹木) – late March to mid-May. 3月下旬から5月半ば
- Grass pollen(芝) – mid-May to July. 5月半ばから7月
- Weed pollen(草) – end of June to September 9月の下旬
このような3つの区分に分かれていますが、一番多いのが芝花粉(Grass pollen)です。
イギリスでは北部より南部の方が花粉が多ことがわかります。
やっぱり南部は都会が多いですから、コンクリートからの舞い上がりの影響も多いのでしょうね。
北部は田舎の野原だらけですので、下に落ちた花粉は土や葉にくっついて舞い上がりにくいのかなと。
その代わり、芝も多いですが・・・。
NHSで推奨されている花粉予防
NHS(国民医療機関)のウェブサイトでは、花粉症に関する情報ページもありました。
「こうすると良い」の「Do」と「これは避けるべき」の「Don’t」あります。
Do:
- ワセリンを鼻の中に塗る
- ラップアラウンドサングラス(目の周囲を囲うようなサングラス)をつける
- 外から帰ってきたらシャワーを浴びて花粉を洗い流し、服を着替える
- できるだけ屋内にいる
- できるだけ窓やドアを閉じる
- こまめに掃除機をかけ、濡れた雑巾でホコリを取り除く
- 車の通気口や掃除機に花粉用のフィルターをつける
Don’t:
- 草刈りをしない、芝の上を歩かない
- 長時間外にいない
- 室内に生花置かない
- 喫煙しない、または喫煙者の周囲に行かない(症状を悪化させるので)
- 洗濯物を外に干さない(花粉がつくので)
- できる限りペットを家に入れない(外の花粉がついているので)
どうでしょう・・・ワセリンを鼻の中に塗るとは!!!
これはですね、ワセリンが花粉をキャッチするのと、弱った粘膜を保護してくれるという二つの効果があるそうです。
うちの娘はわずか6歳で芝の花粉症の症状が出始めまして・・・そこでGP(担当医)に言われたのがコレでした。
幼い頃から鼻の粘膜が弱かったようで、鼻血もでやすく鼻づまりも多いのですが、このワセリンはとても効果がありました。
一緒に「目のまわりにも塗ると良い」と聞いてやってみたところ、効果はすごく感じる訳でもないですが悪くないです。
ついつい目が痒くてこすってしまいがちな目元を保護するという意味では、乾燥もしているイギリスの夏は適している気もしました。
花粉症で粘膜が弱くなる時期に鼻血も多かった娘ですが、ワセリンを塗るようになってから鼻血の回数もかなり減りました。(特に花粉の季節には)
気になる方は一度試してみてください。
綿棒の先にワセリンをつけて、鼻の中1センチほどの周囲を優しくクルクル回しながら塗るだけです。
その他のNHSのアドバイスは、日本人なら既に知っていることばかりですね。
イギリスのティッシュのこと
イギリスのティッシュペーパーは日本のものより固めです。
値段も高いので、日本の家庭のように各部屋に置いてあるようなことは滅多にありません。
ポケットティッシュとなるとまたもっと使いづらいです。
イギリスで売っているポケットティッシュには、食事などで使う紙ナプキンが小さくなったような紙が入っています。
薄い紙が4層になっていて、それが5~6枚くらい入ったものがポケットティッシュとして売られています。
鼻をかむ紙にしてはちょっとゴワゴワしてて、日本のポケットティッシュより大きい紙で使いづらい!
キッチンペーパーで鼻をかむ人が多いので、それに比べたら柔らかくて良いのかもしれませんが・・・。
もしイギリスにきても鼻水が出そうでしたら、ぜひ日本のポケットティッシュを持ってきてくださいね。
あ、それと、イギリス人はハンカチで鼻かんじゃったりしてますが気にしなくていいですよ^^;
さいごに
私はとにかく眠気がくる薬が嫌いなので、(ただでさえ常に眠いので・・)なるべく薬は最後の手段にしています。
ですが、つらそうな娘を見て子供用の抗ヒスタミンシロップを飲ませたところ、すっきりとした顔に変わり、勉強も集中できるようになったそうで、やっぱり薬とも上手に付き合っていかねばと思いました。
カフェインのないネトルティーやルイボスティーは子供が飲むこともできるので、暑い夏に冷たくしてあげたりするようにしていますが、なかなか毎日飲ませるのはちょっと難しいですね。
乳酸菌や発酵食品も良いようなので、花粉の時期はヨーグルトやお味噌を使った料理などを取り入れながらお付き合いしていきます。
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