パンケーキデーって何するの?イギリス流パンケーキの日の楽しみ方と本場のレシピ【2023年版】

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イギリスで毎年2月~3月にある宗教行事の一つ、パンケーキの日「Pancake day(パンケーキ・デー)」。

日本ではあまり知られていないイギリスのパンケーキの日ですが、さて、「パンケーキ・デイ」っていったい何なのでしょう!?

 

パンケーキデーのって何?由来は?
イギリスのパンケーキってどんな味?
パンケーキの日って何するの?
パンケーキレースって何?

この記事では、こんな疑問にお答えします!

では早速パンケーキデーの由来や発祥の地、ロンドンで行われる楽しイベントなど、パンケーキの日についてご紹介していきます。

パンケーキデーは毎年変わります

2023年のパンケーキデーは2月21日(火曜日)です!!

パンケーキデーは、キリスト教の行事の一つ「Easter(イースター)」(復活祭)を基準にしているため、毎年日程が変わります。

パンケーキの日は、英国を始め、カナダ、オーストラリア、アイルランド、ニュージーランドの聖公会信徒、ルター派、その他いくつかのプロテスタントの宗派やカトリックで行われる行事。

パンケーキデーと聞くと楽しいイメージがありますが、実は厳かな宗教行事の一つなんですよ。

イギリスは特に伝統として根付いており、学校や教会でも毎年パンケーキデーの由来を勉強したり、パンケーキを使った行事が開催されたりします。

今ではイギリス各地でパンケーキデー祭りも開催され、楽しいイベントとしても根付いています。

イギリスのパンケーキデーの由来と意味は?

Pancake Day, or Shrove Tuesday, is the traditional feast day before the start of Lent on Ash Wednesday. Lent – the 40 days leading up to Easter – was traditionally a time of fasting and on Shrove Tuesday, Anglo-Saxon Christians went to confession and were “shriven” (absolved from their sins).

The Histric UKより

 

<訳>
”パンケーキデーとは、(告解の火曜日「Shrove Tuesday」)は、灰の水曜日の四旬節が始まる前の伝統的な栄養価の高い食事をする日です。四旬節–イースターまでの40日間–は伝統的にレント(断食)の時​​期であり、パアングロサクソン人のクリスチャンは、パンケーキデー(告解の火曜日)に懺悔し罪から解放されました”

 

パンケーキデーの正式名称は「Shrove Tuesday」(日本語では「懺悔の火曜日」や「告解火曜日」)と呼ばれている宗教行事の一つです。

さて、「Shrove Tuesday」とは何かといいますと、四旬斎の初日である「Ash Wednesday」(日本語では「灰の水曜日」)と呼ばれる日の前日にあたります。

さて次に、「Ash Wednesday」(灰の水曜日)とは何か、それは「Easter(イースター)」(復活祭)から遡って数えた46日目(日曜日を除いた40日目)にあたる日を指します。

そして「Ash Wednesday」(灰の水曜日)から、「Easter(イースター)」(復活祭)までの46日間を「Lent(レント)」(日本語では「四旬節(しじゅんせつ)」)といい、罪を悔い改め懺悔するため断食をするという期間なのです。

 

ということで、イースターから遡った46日間は「Lent(レント)」と呼ばれる断食期間であり、断食が始まる前日にあたるのがパンケーキデーということになります。ちょっとややこしいですね。

どうして「Lent(レント)」である断食の前日がパンケーキデーなのか、それは、翌日から断食が始まるためその前に戸棚にある栄養価の高い食品(卵・砂糖・牛乳・バターなど)をパンケーキにして食べ切ってしまおうという日なんですね。

この一連の日程はイースターを基準に数えますので、イースターと同じくパンケーキデーも毎年日にちが変わります。

 

パンケーキデーの数え方
  • イースターの47日前
    パンケーキデー
    正式名称は「Shrove Tuesday」 パンケーキデーはこの日。

    翌日からのLent(レント)(断食)に備え、栄養価の高い食品(卵・砂糖・牛乳・バターなど)を使いきるのが目的でパンケーキを食べるようになりました。

  • イースターの46日前
    灰の水曜日
    正式名称は「Ash Wednesday」 「Easter(イースター)」(復活祭)から遡って数えた46日目(日曜日を除いた40日目)にあたる日。

    「Easter(イースター)」(復活祭)までの46日間を「Lent(レント)」(日本語では「四旬節(しじゅんせつ)」)といい、罪を悔い改め懺悔するため断食をするという期間。

  • イースター前の金曜日
    グッドフライデー
    イースター前の金曜日

    この日はバンクホリデーといい、銀行などがお休みする祭日になります。

  • イースター当日
    イースター
    「Easter(イースター)」(復活祭)はこの日

    イースターサンデーとも言います。

  • イースター後の月曜日
    イースターマンデー
    イースターの翌日の月曜日

    グッドフライデーからイースターマンデーまでの4日間が「イースターホリデー」と呼ばれ、カレンダー上の連休となります。

    ここに合わせて学校が約2週間の春休みになるため、春休みだけは毎年イースターに合わせて違う日に設定されます。

 

500年以上の歴史を持つイギリスのパンケーキ祭り:パンケーキレース(Pancake race)

500年以上の歴史を持つキリスト教の行事の一つ「パンケーキデー」ですが、「Lent(レント)」(断食)という厳かに行われていた行事が今では楽しい行事として知られています。

パンケーキの日には、各地でパンケーキ祭りが開催され、家族で楽しめるイベントとして「Pancake race」(パンケーキレース)も恒例になってきています。

 

パンケーキレースとは、男性も女性もエプロンやスカーフ・シェフ帽などを身に着け、パンケーキを乗せたフライパンを持って走るというレース。

単独レースやグループでのパンケーキリレー、仮装しながらや子供たちも参加できるものまで各地でお祭りが開催されます。

スタートからゴールまでに何度かパンケーキをひっくり返すというルールもあり、なかなか白熱したレースで参加者も真剣そのもの。観客だってかなりの盛り上がりで応援します。

 

パンケーキレースはオルニー(Olney)から始まりました

パンケーキレースは、ロンドンから約2時間のオルニー(Olney)という小さな村が発祥です。

 

この伝統行事パンケーキレースの始まりは、オルニーに住む一人の主婦。

「オルニーに住む一人の主婦が、レントである断食前の準備でパンケーキ作りに追われ、あまりにもパンケーキ作りが忙しかったために教会が礼拝の時間を忘れてしまい鐘が鳴るまで気づかず、焦ったこの主婦はなんとフライパンとパンケーキを持ったまま家から教会まで走って行った。」とされ、ここからパンケーキレースが始まったと言われています。

 

イギリス各所ではこの楽しいパンケーキレースが開催されますので、パンケーキデーにイギリスに来ているならぜひ観賞や参加でこのイベントを楽しんでくださいね。

それでは、有名なパンケーキレースをいくつかご紹介します。

パンケーキデー発祥の地|Olney Pancake Race(オルニー パンケーキレース)

 

出典:http://olneypancakerace.org

世界的にも有名なパンケーキ祭りは、英バッキンガムシャー(Buckinghamshire)州オルニー(Olney)村で開催されるパンケーキレース。

この小さなオルニーという村は、「パンケーキ・レース」発祥の地として世界中から観光客が訪れます。

 

パンケーキ・レースに参加できる条件として一昔前までは参加条件が女性のみでしたが、現在は男性も参加可能。しかし「女装」が原則なんだとか。

エプロン姿の女装男性やら、主婦はもちろんおばあちゃんたちも、たくさんの人が参加しているアットホームなイベントです。

出典:http://olneypancakerace.org

子供の部もあり、大人と同じくフライパンを持った子供たちのレースはとっても可愛いです。

ロンドンから2時間ほど離れたこの村は、パンケーデーが近づくと、村全体がパンケーキ一色となります。

 

商店街にはパンケーキレースの旗が並び、カフェ・ティールームなどではもちろんのこと、教会・レストラン・パブでもパンケーキがサーブされ街全体がお祭り騒ぎです。

残念ながら参加できるのはオルニーの住人のみとのことです。

パンケーキデーにイギリスに滞在されるならばぜひ足を延ばしてみてください!

こちらの動画で2018年に開催された楽しいパンケーキ・レースの様子をこちらでご覧ください!

Olney Pancake Race

日程:Olney パンケーキレース 2023年2月21日(火)
場所:Olney Buckinghamshire〔MAP
観覧:無料
*参加はOlneyの住人のみです

ロンドンで一番有名なパンケーキレース|Parliamentary Pancake Race(議会パンケーキレース)

出典:TimeOut London

20年間続いているというパンケーキの日のイベント、ロンドンで一番有名なパンケーキレースをご紹介します。

国会議事堂となりのビクトリアタワーガーデンで行われる「Parliamentary Pancake Race」は、なんと普段まじめな顔しかお目にかかれない下院議員、上院議員、プレス関係者たちがグループに分かれて競い合います。

議員さんたちがエプロンを見つけ、フライパンを持って真剣に走る姿はなかなか間近で見れるものではありませんよ。議員さんたちの白熱レースをぜひ間近でご覧ください!

観覧は無料。観光客にも人気のイベントの一つです。

チャリティーイベントですので、楽しめた人はポケットの小銭を少し寄付して帰りましょう。

こちらの動画では議員さんたちがパンケーキをひっくり返す練習をしているところや、エプロンとシェフハットをかぶって走るところなど、普段はなかなか見れない楽しい雰囲気が伝わってきます。

Parliamentary Pancake Race

日程:2023年2月21日(火)
場所:Victoria Tower Gardens
最寄駅: Westminster
時間:10am
*観覧無料

イッテQチームが乗り込んだパンケーキレース|The St Albans Pancake Race(セント オールバンズ パンケーキレース)

出典:公式サイト

以前、人気番組イッテQチームが参加したことで有名になったセント オールバンズのパンケーキレースです。

ロンドンから車で約1時間ほど行ったところにあるSt Allbans(セント・オールバンズ)という小さな街。毎年パンケーキレース祭りは地元の人々で盛り上がりを見せています。

イッテQチームはみやぞんさん、ロッチ中岡さん、手越祐也さん、宮川大輔さんの4人。見事勝利を獲得したそうです。(2020年4月放送)

4人のチームでパンケーキをフライ返ししながら走り、その速さを競う「St Albans running Pancake Race」と、走らず歩きながらフライ返しのスキルを競う「St Albans Flippin’ Walkers Race」の2種類があります。

2023年は久しぶりの開催。大いに盛り上がりそうですね!

イッテQチームがパンケーキレースに参加したときの様子などは、こちらの記事をどうぞ!

>>謎の日本人到来?イギリスSt Allbansのパンケーキレースは大盛りあがり!【イッテQ】

 
The St Albans Pancake Race
開催日:2023年2月21日(火)
場所:St Albans
時間:11:30 – 13:00
観賞::無料
参加:1チーム40ポンド
最寄り駅: Market Pl, St Albans, UK〔MAP

 

ロンドンのチャリティ・パンケーキレース|The Great Spitalfields Pancake Race(ザ・グレートスピタルフィールズ パンケーキレース)

出典:TimeOut London

こちらは観光客でも参加可能というパンケーキレース。ロンドンの東に位置するスピタルフィールズで開催されます。

 

このパンケーキレースは、ロイヤルロンドン病院のヘリベースから緊急な高度外相治療のためのロンドンエアー救急車の運用へ寄付するためのチャリティーイベントの一つです。

このレースは誰でも参加することができます。オンラインで事前申し込みもできますが、寄付をすれば当日でも参加可能だそう。

4人一組になってリレーで競うレースです。パンケーキの日にロンドンに滞在している方は、ぜひ友達を誘って参加してみてはどうですか!?

フライパンは持参、パンケーキは支給、優勝者には勝者が刻まれたフライパンが贈られるそうです。

過去の仮装しながらの楽しいレースの様子はこちらでご覧ください!

*2023年の開催はまだ情報が出ていません
場所: Old Truman Brewery
観賞: 無料
最寄り駅: Shoreditch High Street, Liverpool Street, Aldgate East 〔MAP

 

イギリス流パンケーキの特徴

イギリスのパンケーキはクレープみたいな薄さです!

イギリスのパンケーキは、日本のホットケーキとは見た目も味もかなり違います。

最近日本で注目されている人気が高いふわふわの厚みのある「パンケーキ」は、アメリカから来たものなので、味も見た目もホットケーキに近いですよね。

 

でも華やかなイメージのアメリカのパンケーキと違って、イギリスのパンケーキは意外と質素。

どちらかというとクレープに近い薄さで、クレープよりももっちりして柔らかです。

そしてパンケーキ自体には砂糖が入っていないのが特徴。

パンケーキに砂糖とオレンジやレモンの絞り汁をかけてクルクルっと巻き、ナイフとフォークで食べるのが一般的な食べ方です。

 

最初からクルクル巻いた状態でプレートに乗っていることが多いので、初めて見る人には「何コレ!?」って感じかもしれません。

砂糖&レモン汁以外にも、子供たちはヌテラやメイプルシロップ、ハニーなどの甘いソースを塗って食べることも多いです。

 

どこのスーパーでもパンケーキ用の深さがほとんどないフライパンが売っているほど、パンケーキは家庭の味の一つとして親しまれています。

 

イギリスのパンケーキ

イギリスのパンケーキ

↑イギリスの一般家庭にあるパンケーキパン(パンケーキ専用フライパン)
(年季が入ってます笑)

うちではパンケーキの日以外にもよくパンケーキを作って食べます。レモンの絞り汁と砂糖をかけて作ることが多いですが、イチゴと生クリームなどクレープ的な食べ方をすることも多いです!

イギリス流の本場パンケーキレシピ

出典:BBC Food

イギリス BBC Food 評価5つ星/5の、人気パンケーキレシピをご紹介。

 

<材料>

  • 小麦粉 110g
  • 塩ひとつまみ
  • 卵2個
  • 牛乳200mlと水75mlを混ぜたもの
  • バター50g

トッピング用

  • グラニュー糖
  • レモン汁
  • 絞る用の切ったレモン

 

<手順>

1. 小麦粉と塩をボウルに入れて空気が入るように混ぜます。
ボウルの真ん中にくぼみを作り、卵を落として、端から粉を持ってきて覆うように軽く混ぜます。

2. 次に、牛乳と水を混ぜた物を少しずつ加えながら泡立て器でまぜていきます。混ぜているうちにダマはなくなってきます。
すべての液体を加え終わったら、ゴム製のヘラを使用して、縁の周りから中央に小麦粉をこすり落とし、次に薄いクリームのように滑らかになるまでもう一度泡立てます。
今度は鍋でバターの50gを溶かします。溶けたら大さじ2杯分をパンケーキ液に入れて混ぜます。残りは小さなボウルに注ぎ、それを使ってフライパンにバターを塗ります。

3. 今度はフライパンを熱し、次に熱を中程度に下げます。まず最初に、パンケーキ液の適量を図るために試しに一枚焼いてみてください。18cm / 7inのフライパンには、大さじ2杯くらいになります。
最初の面は30秒ほどでひっくり返します。反対側には数秒しかかかりません。両面が焼けたらお皿の上に滑らせるように乗せます。

4. 出来上がったパンケーキは冷めないように、お湯を張ったトレイの上などにお皿をのせ、焼けたパンケーキを重ねて置いておきます。

5. 仕上げは砂糖とレモン汁をふりかけて半分に折り、その状態から丸めるかもう半分に折っておきます。お好みでさらに足せるよう、砂糖や絞る用の切ったレモンを一緒にサーブしてください。

以上、BBC Food 評価5つ星/5の人気パンケーキレシピでした。

このレシピでは、ミルクとお水で生地を作るタイプですね。

水分がミルクのみのレシピも多くありますが、イギリス人からの人気度はこちらの方が上のようです。

手順もBBC Foodレシピにそって翻訳していますが、要は混ぜてクレープの様にフライパンで焼くだけのお手軽おやつです!

ほとんど失敗しないので、ぜひ挑戦してみてくださいね。

イギリスの便利なパンケーキミックス|お土産にもGOOD!

出典:TESCO

実はイギリスのスーパーにはこんな便利なパンケーキミックスがあるのです。

この写真のようなプラスチック容器に入ったパンケーキミックス。何が便利かって、この容器にお水を足してシャカシャカ振って混ぜればパンケーキ生地が出来上がりなのです。

この容器は、お水を入れるスペースがちゃんと計算されているので、粉は容器に対して半分以下しか入っていませんが、決して不良品ではありませんのでご注意を。

パンケーキデーとは関係なく、だいたいどこのスーパーにも一年中置いているので、本場イギリスのパンケーキが日本でも作れる(?)のでお土産にしてみてもいいですね!?

 

イギリス人のパンケーキデーの過ごし方

パンケーキデーは、その楽しそうな名前からするイメージとは違った歴史があり、今でも教会に礼拝に行く人、栄養価の高い食べ物に感謝しつつパンケーキを食べる人、翌日のレント(断食)からプチ断食を始める人などいろいろです。

今では本来のレント(断食)をする人は少なくなっていますが、何か小さな後悔がある人や願掛けのような形で「お酒を断つ」「スイーツを断つ」などパンケーキデーを機にプチ断食(嗜好品を断つ)をする人も多くいるみたいですよ。

もちろん教会の礼拝にはたくさんの人が足を運んでいます。

国の宗教でもあるキリスト教は、学校でもこのパンケーキデーには本来の意味を勉強したり、学校の給食にパンケーキが出たり、高学年になると調理実習でパンケーキを作ったりと、教育現場でもしっかりとこの行事を継承しています。

学校の引率で教会に行き、パンケーキデーに関するお話を聞いてくることもあるんですよ。

 

さて、イギリス人家庭のパンケーキデーにパンケーキを食べるタイミングですが、夕食後のデザートとしてが主流ではありますが、実は当日の夕食をパンケーキのみにする家庭も少なくないです。

日本人の感覚としては、夕食に甘いもの?しかもパンケーキだけ?おかず無し?と「???」が続きますが、そんなことは全然気にならないイギリス人や、きちんとした理由で「節制として贅沢を少しお休みする」という気持ちで夕食にするという人がまだまだいるようです。

楽しいだけじゃないパンケーキの歴史を学んだあとは、イギリス流パンケーキをぜひ味わってみてくださいね!

 

 

 

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