イギリスで子育てをしながら、「イギリスの子供たちってこんな生活してるのか~」と思うことがチラホラあります。
時々聞かれる「イギリスの子供たちって7時に寝かされるって本当?」という質問。
子供ができる前はあまり気にも留めてなかったのですが、子育てしているうちに「あぁ、このことか!」と思うこともありました。
今回は、私の周りのイギリスで生活する家庭の小学生くらいの子供たちの生活の一部をここで紹介したいと思います。
イギリスの子供は7時に寝かされるって本当?
これはそれぞれの家庭にもよるのですが・・・
確かに私の周りでも、10歳くらいまでの子供には、7時にベッドルームに行かせて「就寝時間」とする家庭は多くあります。
7時半の場合や、8時までに「寝付く」ためにその前にベッドルームへ、など細かな時間に違いがありますが、少なからず「8時前には寝かす」というのは一般的なようです。
イギリスでは赤ちゃんの頃から子供たちは自分の部屋を割り当てられており、親と離れて一人で自分の部屋で寝るという習慣があります。
親は「ベッドルームに入る」時間を設定し、その時間以降トイレ以外は部屋から出て行かないというルーティーンができているようです。
就寝時間が早いからか、早起きする子がとても多いです。6時とか6時半とかは普通です。(学校はだいたい9時から始まります。
たまに6時前に起きてしまう子がいますが、そんな時は親が子供の部屋に時計を置いて「6時になるまで部屋からでない」というルールを作ったりもしています。
共働きの親も多いので、子供が朝早く起きてくれれば、きっとバタバタせずに通学の準備がスムーズですね。
子供は夕食は何時に食べる?
でも7時にベッドールームに行かせるには、それまでに寝る準備を済まさなければいけません。
そのため、子供たちは3時半前後に学校から帰宅し、5時くらいには子供だけで夕食を済ませることになります。
子供だけの夕食は、大人のメニューと違い簡単なものの場合が多く、「スパゲティボロネーゼ」「ソーセージ&ベイクドビーンズ」「チキンナゲット」などのワンプレートで済ませてしまいます。
10歳くらいまでならば食べる量もそれほど多くないですから、メニューのせいで不満が出ることもないはずです。
しかも子供が喜ぶ「子供用メニュー」ばかりですから。
フルタイムで働く親は5時から6時くらいに帰宅することが多く、それでも日本に比べるとかなり早い帰宅ですが、その時間から家族で食べるには遅すぎるという訳ですね。
そして大人は子供たちが就寝した後に、ゆっくりと大人だけのメニューの夕食を楽しむということになります。
子供が寝た後の7時半や8時にシッターに来てもらい、夫婦で外食したり映画を見に行ったりする人も多いです。
夫婦の時間を作るのはやっぱり大切なんですね。それもこれも仕事から定時で帰宅できるからできること。日本では難しいかもしれません。
子供たちの登下校は?
イギリスの子供たちは、イヤー4(10歳くらい)までは保護者と一緒に登下校する決まりになっています。
両親が働いている場合は、チャイルドマインダーという子供のお世話をしてくれる人に登下校や放課後帰宅までのシッターを頼んだり、おじいちゃん・おばあちゃんが手伝ったりしています。
娘の学校では、登校時は門が5分間しか開いていません。その間に親と一緒に校庭に入り、校舎の入り口には先生が立っていて一人ひとりで迎えて中に入れます。
下校時は、学校が終わる時間に合わせて親や責任者が迎えに行き、先生が一人ひとり親がいるのを確認しながら子供を引き渡します。
*学校に関してはこちらの記事にも書いています。
学校では「アフタースクールクラブ」なるものがあって、シッターを目的とした預かりや、スポーツやアクティビティを目的としたクラブがある場合があり、子供たちが参加する日はそのまま学校に残り、アフタースクールクラブの終了時間にお迎えに行きます。
アフタースクールクラブは有料・無料いろいろですが、学校によってクラブ自体が何も無い場合もあります。
基本的にはイヤー5(10歳くらい)からは子供だけで登下校できる年齢になります。
しかし学区も広くなるので、近所に住んでいる子以外は親が迎えに来ることの方が多いかもしれません。
留守番に関してはイヤー5(10歳くらい)から一人で通学できるため、このくらいの年齢から留守番もする子が多くなってきますが、一般的にはイヤー7(12歳くらい)からになります。
*イヤー5というのは学校制度が3ティアの場合のミドルスクール開始年、イヤー7というのは学校制度が2ティアの場合のセカンダリースクールの開始年なので、ここを区切りに登下校や留守番が一人でできると判断されることが多いようです。
学校制度はカウンシルにより(地域により)違います。
放課後の習い事は?
アフタースクールクラブも習い事の一つの場合もありますが、水泳、サッカー、ダンス、バレエ、空手などの習い事へ通わせる親も多くいます。
アフタースクールクラブとの違いは、学校に迎えに行きいったん家に帰り、その後習い事の場所へ連れて行かなければいけないことです。学校からそのまま続けてできるアフタースクールクラブは親にとってはありがたいものなのです。
そのため、両親が共働きの子でおじいちゃん、おばあちゃんなどが近くにいない場合は、なかなか習い事に通うのは難しいようです。
イギリスでは、スポーツ系の習い事が多く、塾のような勉強系の習い事は日本に比べるととても少ないようです。
私の住んでいる地域で唯一「塾」のような放課後の教室があるのは「KUMON(くもん)」のみです。ここでの公文はアジア系やインド系の家庭に人気があるようです。こちらでは英語(国語)と算数のみ受講できます。
イギリスの子供たちは一人でいる時間が少ない
このように、家の外では子供が一人で行動するということはまずありません。
日本とは治安の違いも大きく関係しますが、子供が小さいうちは親が責任をもって常に安全を確保するのが基本です。
目を離す場合は、必ず信頼できる誰かに見ててもらえるよう頼みます。それはシッターなどの有料の場合や、祖父母や友人など協力してくれる人で有料でない場合もあります。
働いている親同士が交代で子供を送迎したり預かったりと協力している人もいるようです。
安全第一ではありますが、子供にとってのアドベンチャーはかなり限られてしまいますね。
その分、自分の部屋が与えられているので、自分の部屋で一人で自由に何かをするということが可能です。
四六時中、兄弟や両親と同じ部屋で過ごし同じ部屋で寝る日本とは少し違います。
友達とはいつ遊ぶの?
もし学校の後にお友達と遊びたい!という場合、あらかじめ親同士がどちらの家で遊ぶか、どちらの親が学校に迎えに行くかなどを連絡を取り合い決めておきます。
いわゆる「プレイデート」と呼ばれているものですが、子供同士で遊ぶ約束をしたからと言って、親の都合が悪ければ遊べないということになってしまいます。
どちちらかの家に遊びに行くことになれば、家の中では子供たちだけで遊ぶことができます。
自分の部屋に招き、自分のオモチャで一緒に遊べて、親はあまり干渉はしません。
6時ごろには帰宅する(どちらかが迎えに行くか送っていく)約束をしますが、帰宅前に子供たちだけで一緒に夕食を食べさせるのが普通です。
ほとんどは学校給食やレストランなどで見かける「キッズメニュー」的なものを準備して、簡単に済ませてしまうことがほとんどで、家族と一緒に家族と同じメニューを食べるということは少ないようです。
だいたいは、ピザかソーセージかフィッシュフィンガーかパスタ、どれがいい?なんて先に聞かれます。
一緒に遊び、一緒に夕食を食べ、6時に帰宅、そして7時までにお風呂に入れば7時台にベッドに行くことができる、やっぱりここプレイデートであってもイギリスの子供たちのルーティーンは決まっているようですね。
子供のテレビ番組
イギリスの国営放送であるBBCでは、子供チャンネルCBeebies (シービービーズ)やCBBC(シービービーシー)があります。
この子供向けチャンネルはとても優秀で、知育のツールの一つでもあり、子供が安心して見ることができる高品質なプログラムを提供しています。
CBeebies (シービービーズ)の子供番組についてはこちらの記事でもご紹介しています。
CBeebies (シービービーズ)では、赤ちゃんから6歳くらいの子供向けプログラムで、楽しみながら学べる内容が詰まっています。
このチャンネルはベッドタイムである7時に放送が終了してしまうんですよ。
終了直前では、有名人による絵本の読み聞かせがあります。
日本でもどこでも寝る前に絵本を読んでもらうという習慣は共通なんですね。
それだけイギリスでは「7時が子供の就寝時間である」ということがわかります。
「イギリスの子供たち」の私の印象
- うちに遊びに来た時など、お行儀が良い子が多い。(家庭内や外でのことはわかりません笑)
- 食べ物の好き嫌いがはっきりしている。食事を出しても食べれないものがあると、これは食べれませんと先に申告して一切手を付けない。
- 本好きが多い。とにかく読書をたくさんする。5~6歳でもハリーポッターにハマる子が多い。
- 意外と素の子供の部分も多くあり、自然の中で走り回るといった単純な遊びを大いに楽しむ。
- ほとんどの子はスイミングに通っている、または通っていた経験がある。(習い事の選択しが少ないからかな)
- 習い事の中で「空手」が普通に浸透している。「柔道」「合気道」「居合道」なども近くにあれば通う子も多い。
- オモチャをたくさん持っている。(家が日本に比べて大きい、自分の部屋があるというもの一因であるとは思う)
- 親子ともにセカンドハンド(中古)でも気にしない。(オモチャ、自転車、防寒着など)
- 親は、子供が使えなくなったものは中古としてバンバン安く売る。(良い中古品を買えるチャンスが多い)
- チョコレートやアイシングいっぱいのケーキが大好きな子が多いと思いきや、おやつにキュウリや生のニンジンをかじっているヘルシーさもある。
- 4,5歳くらいの子でも、大人と同じような言葉で対等にお話ができる。(言語の違いもあるでしょう)
- 子供でもそれなりに自己主張は強いが相手を尊重することもできる。
現在、9歳になる子の子育てをイギリスでしている上での私の印象でした。
地域的や年齢によって全く違うよという意見もあるかもしえれませんが、これは個人的な感想ですのでご了承ください!
さいごに
こんなイギリスの子供たちの生活の一部をご紹介しましたが、子供が十分な睡眠時間を取り、朝は早起きしてきちんと朝食を食べて出かけられる生活はやっぱり良いことだと思います。
そして4,5歳から始まったプレイデートですが、クラスメイトの子が来るたびに「しっかりしてるなぁ」と感心させられることも多くあります。
夕食の際に「私はあまり食べられないのでこの半分でいいです」と手を付ける前に言うとか、子供が好きそうなデザートを用意しておいたが「私はもうお腹いっぱいなのでいりません」ときちんと断ったりとか。
たまには家を散らかして騒いでという子もいましたが、ほとんどは大人しく遊んで食べて帰るという感じ。
大人を困らせるような子はほとんどいませんでした。
睡眠時間がたっぷり取れていることと関係があるかわかりませんが、落ち着いた大人っぽい子が多い印象。
ただ、働いているお父さんでも5時6時に帰宅できるというのに、子供と食事一緒にできないのはちょっと可哀そうだなと思います。
その分、夫婦の時間を大切にしていることで、そして家族の幸せに繋がり良い結果を生んでいるのかもしれませんが。
多くの家族は、週末にはファミリータイムとして家族でお出掛けや食事を楽しむ時間になっているようなので、子供たちも少し夜更かしできるようです。
イギリスでの子育ては親や大人が常に子供と一緒にいる状態ですが、それが子供たちの自主性や成長を妨げる、ということではないと私は感じています。
親にとっても、夜に自分のリラックス時間が取れるということは精神衛生上とても大事ですよね。四六時中子供に振り回せれることがない分、ストレスが軽減されて子供にも優しくなれるのかもしれません。
個人的には、10歳くらいまで常に大人の監視下にあるということが良いか悪いかは別として、悪影響を及ぼすことから守ることができるという点では良い部分は大きいと思います。
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